トレイルランニングと安全対策:自然を楽しむためにできること

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こんにちは!

トレイルランニングは、山や森といった壮大な自然の中を駆け抜ける、とても魅力的なスポーツです。日常を忘れさせてくれる爽快感、登り切ったときの達成感、そして美しい景色との出会い。一度その魅力に触れると、きっと虜になることでしょう。

しかし、その一方で、山は一歩間違えれば危険な場所にもなり得ます。トレイルランニングを楽しむためには、何よりもまず安全対策を万全にすることが不可欠です。「自分は大丈夫」という過信は捨て、常に「山は危険な場所である」という意識を持ってフィールドに臨む必要があります。

今回は、トレイルランニングを安全に楽しむために知っておくべきこと、そして山に入る際に必ず用意しておきたい安全対策の装備について、僕自身の経験も交えながらじっくりお話ししたいと思います。この記事を読んで、安全に、そして安心してトレイルランニングを楽しむための準備を整えましょう。


登山・山岳遭難の現状:山は身近な危険と隣り合わせ

「山で遭難するなんて、よほどのことがない限りないでしょ?」そう思っている方もいるかもしれません。しかし、現実には多くの遭難事故が発生しています。

nippon.comのデータによると、2023年の山岳遭難発生件数は3,506件、遭難者数は3,812人、死者・行方不明者は336人にも上ります(※2024年版のデータは見当たらなかったため、2023年のデータを使用します)。これらの数字は、山が持つ危険性を物語っています。

2024年の山岳遭難2946件:前年比微減も高止まり続く 死者・行方不明者は300人―警察庁
2025年の夏山シーズンもいよいよ本番。警察庁がこのほど公表した24年の山岳遭難概況によると、遭難件数は2946件、遭難者総数は3357人。過去最多を記録した前年より若干減ったものの、数字は高止まりしている。

もちろん、遭難事故のすべてがトレイルランナーではありませんが、山に入るすべての人にとって他人事ではない数字です。このような事実を自覚した上で、「でも山でトレーニングしたいし、大会にも出たい」という気持ちを大切にするためにも、万全の安全対策を講じることが何よりも重要になります。


登山の「常識」をトレイルランニングにも

トレイルランニングは、登山道を走るスポーツである以上、登山の常識とマナーを理解し、それを守ることが大前提です。特に、以下に挙げる安全対策は、走るという行動が伴うトレイルランニングにおいて、より一層重要になります。

1. 装備:もしもの時に命を守る「お守り」たち

「ランニングだから身軽に」という気持ちは分かりますが、山に入る際は、たとえ短時間のトレーニングでも、もしもの事態を想定した装備を必ず携帯しましょう。

必須の安全装備

  • ヘッドライト:日中のトレーニングでも、必ず持っていくべきです。下山に時間がかかったり、道に迷って日没を迎えてしまう可能性はゼロではありません。万が一に備え、予備の電池やバッテリーも携帯しましょう。
  • レインウェア(防寒着):暑い季節でも、山の上は気温が急激に下がることがあります。また、急な雨に降られることもあります。雨で体が濡れると、低体温症を引き起こすリスクが高まります。必ず長袖の上着は持っていくようにしましょう。
  • エマージェンシーキット:小さな怪我でも、山の中では自分で処置しなければならない場面に遭遇します。消毒液、絆創膏、包帯、テーピング、痛み止めなど、最低限の救急用品をまとめたキットを必ず携帯しましょう。
  • エマージェンシーブランケット:軽量でコンパクトながら、いざという時に命を守ってくれるアイテムです。遭難して動けなくなった際などに、体を覆うことで体温の低下を防いでくれます。
  • GPS時計:GPS機能付きの時計は、道に迷った時に大きな助けとなります。「Back to Start」機能を使えば、元の場所まで戻るルートをナビゲートしてくれるため、遭難のリスクを大幅に減らすことができます。
  • スマートフォンと携帯充電器:遭難した際に救助を要請したり、家族に連絡を取ったりするために、スマートフォンは必須です。しかし、電波状況が悪い場所や、長時間の行動でバッテリーが切れてしまうこともあります。念のため、モバイルバッテリーなどの携帯充電器も併せて持っていきましょう。
  • 食料:短時間のトレーニングでも、行動食やジェル、お菓子などを少し多めに持っていくのが良いでしょう。エネルギー切れ(ハンガーノック)は判断力を鈍らせ、道迷いの原因にもなります。

2. 事前の計画と情報共有

山に入る前に、事前の計画と情報共有をしっかり行うことで、遭難のリスクをさらに減らすことができます。

実行すべきこと

  • コースの計画:事前に地図アプリやガイドブックなどで、走る予定のコースの全体像を把握しておきましょう。エスケープルートや水場、避難小屋の位置なども確認しておくと安心です。
  • 家族への共有どこの山に、どのコースで、どのくらいの時間走るのかを、必ず家族や信頼できる人に伝えてから出発しましょう。おおよその帰宅時間も伝えておくことで、万が一帰りが遅れた際に、家族が異変に気づき、迅速な対応を取ることができます。

3. ココヘリなど位置情報サービスを活用する

最近では、万が一の遭難時に役立つサービスも登場しています。特にトレイルランナーの間で広く利用されているのがココヘリです。

これは、専用の端末を携帯することで、山で遭難した場合にヘリコプターや地上隊が発信電波をキャッチし、位置を特定してくれるサービスです。自分の努力だけではどうにもならない状況に備えて、このようなサービスを利用することも、安全に楽しむための重要な選択肢の一つです。

あと、保険によっては、遭難して死亡しても遺体が見つからなかった場合はすぐに死亡保険金が支払われません。よって、自分がもし何かあった場合、残された家族にも余計に大きな負荷をかけてしまいます。よって、ココヘリのようなサービスは必要です。

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まとめ:安全対策は未来の自分への投資

今回は、トレイルランニングにおける安全対策の重要性についてお話ししました。

  • 山が持つ危険性を常に自覚することが、安全の第一歩です。
  • ヘッドライト、防寒着、エマージェンシーキット、GPS時計など、もしもの時に命を守る装備を必ず携帯しましょう。
  • 事前の計画と家族への情報共有は、万が一の事態に備えるための重要な準備です。
  • ココヘリのような位置情報サービスも積極的に活用しましょう。

安全対策は、決して「面倒なこと」ではありません。それは、怪我なく長くトレイルランニングを楽しみ続けるための、そして愛する家族の元へ無事に帰るための、未来の自分への大切な投資です。

さあ、万全の準備を整えて、今日もトレイルを安全に駆け抜けましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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