こんにちは!
大会への参加は、日々のトレーニングの成果を試すだけでなく、雄大な自然の中を駆け抜ける最高の体験です。しかし、その最高の瞬間を迎えるためには、入念な準備が欠かせません。特に、大会当日に必要な持ち物を事前にしっかりと用意しておくことは、精神的な余裕を生み出し、パフォーマンスを最大限に引き出すための重要なステップとなります。
今回は、僕が実際に大会に向けて準備している持ち物ラインナップを、4つのカテゴリーに分けて詳しく解説していきます。このリストは、僕自身の経験に基づいたものですが、皆さんのレース距離や季節、そして個人のスタイルに合わせてカスタマイズする際の参考として、ぜひ活用してください。
持ち物をカテゴリー別に整理することで、準備の漏れを防ぎ、大会当日の朝もスムーズに行動できます。
- 当日の朝に着るもの・塗るもの
- ザックとザックに入れるもの
- ドロップバッグにいれるもの
- それ以外の着替え・タオル・寝間着など必要なもの
この分類に沿って、一つずつ詳しく見ていきましょう。

1. 当日の朝に着るもの・塗るもの:スタートラインに立つための「戦闘服」と「お守り」
レース当日の朝は、緊張と期待が入り混じる特別な時間です。この時間に焦ることなく、スムーズに身支度を整えられるよう、体に直接身につけるものや塗るものを前日にまとめて準備しておきましょう。
- キャップ / サングラス / バフ: 頭部の日差しや雨、風、虫などから守るための必需品です。バフは、首元の日焼け防止、汗拭き、緊急時の包帯やマスク代わりにもなる万能アイテム。サングラスは、目の保護だけでなく、木の枝などから目を守る役割も果たします。
- ドライメッシュ / Tシャツ / ランパン: レースウェアは、吸汗速乾性に優れた素材を選ぶことが基本です。特にインナーとして着るドライメッシュは、汗冷えを防ぎ、体温調節を助けるため、レース中の快適性を大きく左右します。ランパンは、摩擦による擦れを防ぐために、自分に合ったサイズと素材を選びましょう。
- 靴下: 僕は足のトラブルを極力避けるため、吸汗速乾性と耐久性に優れた素材のソックスを愛用しています。濡れてもすぐに乾き、マメができにくいのが特徴です。
- 下半身のコンプレッションウェア: 筋肉の無駄なブレを抑えることで、疲労を軽減し、パフォーマンスの維持に貢献します。ウルトラディスタンスのレースでは、後半の脚の持ちが大きく変わるので、ぜひ試してほしいアイテムです。私はふくらはぎのコンプレッションウェアを着用することが多いです。100km走った際にも着用しました。
- トレイルシューズ: 何よりも重要なのが、履き慣れたシューズです。新品のシューズをいきなりレースで履くと、マメや痛みの原因になります。レース本番は、普段のトレーニングで相性の良いことを確認したシューズを選びましょう。僕は様々なシューズを持っていますが、大会によって使うシューズを変えています。
- ゼッケンベルト / ゼッケン / 計測チップ: ゼッケンをウェアに直接ピンでつけると、生地を傷めたり、着替えが面倒になったりします。ゼッケンベルトを使えば、ウェアを変えてもゼッケンを付け替える必要がないので非常に便利です。大会前日までにゼッケンが入手できる場合は事前にゼッケンをゼッケンベルトに通しておきます。計測チップはゼッケンについている場合は殆どですが、シューズに取り付けるものもあるため、前日にシューズに取り付けておきましょう。
- マメや肌の摩擦軽減防止クリーム / 日焼け止め: ウェアやザックとの摩擦による肌の擦れは、長時間のレースでは大きなストレスになります。Protect J1などの保護クリームを脇や股、首元などに塗っておくことで、擦れを予防できます。また、強い日差しから肌を守る日焼け止めも必須です。
- NewHaleなどのテーピング: テーピングが必要な箇所がある場合は、レース前にしっかりと貼っておきましょう。
- ウォッチ: ペース、時間、距離、心拍数などを管理するための大切なツールです。GPS機能付きのものが主流で、事前にコースデータを読み込んでおくことで、ナビゲーションとしても活用できます。GPSデータは必ず前日までに読み込んでおきましょう。
- グローブ: グローブは、手の保護と保温、そしてトレイルポールを握る際のグリップ力向上に役立ちます。
2. ザックとザックに入れるもの:レース中の「移動基地」
レース中に背負って走るザックの中身は、大会のレギュレーションと自分の補給戦略に合わせて準備します。必携装備のチェックは最も重要です。
- トレイルリュック: 身体にしっかりとフィットし、荷物が揺れないものを選びましょう。揺れは不快なだけでなく、身体の余計なエネルギーを消費します。
- ライト / 予備ライト: 夜間セッションがない場合でも必須のことが多いです。山で夜を迎えたことがある人はわかると思いますが、山の夜は真っ暗です。本当に何も見えません。なので、必ず持っていきましょう。必携であれば持って行く必要がありますし、必携でなくても持っていくことで安心感が増します。また、夜間セクションのあるレースでは、メインと予備の2つのライトが必須の事が多いです。バッテリー切れに備え、予備バッテリーも忘れずに。
- スマホ / バッテリー / 充電コード: こちらも必携の場合が多いです。スマホが通信手段として確立しているため、緊急時の連絡手段としてスマホが必要です。また、充電がなくなってしまったことを想定してバッテリーも確実に持っていきましょう。命を守るものですので、必ず持っていきましょう。軽量のものを選択するなどして、背負う重量を削減することは必要です。なお、防水ケースに入れることをお勧めします。
- 補給食・ジェル: ここぞという時に糖質を体に入れて頑張るために、そしてハンガーノック(エネルギー切れ)を防ぐため、事前に摂取タイミングと量を決めておいた補給食とジェルをザックに詰め込みます。僕は様々な種類のジェルや、固形物をバランス良く入れています。
- エイドキット: 小さな怪我やトラブルに備えた救急セットです。非伸縮性テーピング、伸縮性テープ、ポイズンリムーバー、バンドエイド、キネシオ、ガーゼ、アルコール綿などをコンパクトにまとめておきましょう。
- 抗ヒスタミン剤・ステロイド軟膏 / 痛み止め / 胃薬 / エスタロンモカ / トメダイン: 薬は、持病やアレルギー、体調不良に備えて用意しておきます。特に胃腸トラブルはレースで起こりやすいため、トメダインなどの胃薬は持っておくと安心です。
- サバイバルブランケット: 体温の低下を防ぐためのアルミシートです。低体温症対策として、必携装備になっている大会が多いです。
- 熊鈴: 熊出没エリアのレースでは、安全確保のために必須です。
- レインウェア上 / レインウェア下: 雨風から身を守るための必携装備です。軽量でコンパクトに収納できるものを選びましょう。
- フラスコ / 携帯用コップ: フラスコは当然持っていくと思います。コップについては、大会によっては給水所でコップの提供がないため、マイコップの携行が必須です。
- トレイルポール: 登りや下りで身体をサポートし、脚への負担を軽減します。使用しないときはザックに収納できるタイプが便利です。
- 健康保険証 / クレジットカード / 免許証 / 小銭: 緊急時に備え、最低限の貴重品は防水ケースなどに入れて携帯しておきましょう。
- ゴミ入れ袋: ゴミはすべて持ち帰るのがトレイルランナーのマナーです。
- ココヘリ: 捜索が必要になった際に、早期発見を可能にするための重要なツールです。
- ザック後部ライト: 夜間セクションで自分の位置を後続のランナーに知らせるために使います。
3. ドロップバッグにいれるもの:レース後半を支える「補給基地」
ドロップバッグ(Drop Bag)は、大会の距離が長い場合に、コースの途中にあらかじめ荷物を預けられるシステムです。大会によってない場合もありますが、ドロップバッグが許される大会であればドロップバッグを活用することで、より身軽にレースを進め、後半の疲労や天候の変化に対応できます。
- 着替え: 汗で濡れたウェアを着替えられるのは大きなメリットです。特に、雨に降られた後などは、体温低下を防ぐために非常に重要です。
- トレイルシューズ: 足の疲労やマメの状況に応じて、後半は違うシューズに履き替えることもあります。足のむくみなども考慮して選択する必要があります。
- ウィンドシェル / 長袖上着: 天候の急変や、夜間の冷え込みに備えて、防寒着をドロップバッグに入れておきます。
- 靴下(予備): トレランでは渡渉等がある場合があり、靴や靴下がびしょびしょになることがあります。靴は走っている間に徐々に乾いていくのですが、靴下までは乾かない事が多いです。そのような状況で走っていた場合、足が常に濡れた状態となりマメができやすくなります。よって、ドロップバッグが許される場合は替えの靴下を入れておきます。
- 予備フラスコ: 万が一レース中にフラスコが使えなくなった場合入れておきます。水分補給ができない状況が発生すると完走が遠ざかるため、入れておきます。
- 補給食: 胃腸の状況や気分によって補給食をドロップバッグに入れておきます。
- 誓約書・健康観察表 / マスク: 大会によっては、ドロップバッグにこれらの書類を入れておく必要があります。
4. それ以外の着替え・タオル・寝間着など必要なもの:レース前後の快適な時間を演出するアイテム
大会会場や車内での時間を快適に過ごすためのアイテムです。これらを事前に準備しておくことで、レースに集中できるだけでなく、大会全体の体験がより良いものになります。
- 着替え用の服 / タオル / 汚れもの入れる防水袋: レース後に着替えるための服と、汗で濡れたウェアやタオルを入れるための袋は必須です。
- 山岳保険: 万が一の事故に備え、保険に加入しておきましょう。
- 薬: 花粉症や喘息など、持病の薬を忘れずに携帯します。
- サンダル: レース後、疲労困憊の足を休めるためにサンダルがあると非常に快適です。
- お金 / ETCカード / 鍵: 移動や食事、宿泊など、レース以外の場面で必要になります。
- 携帯トイレ: 会場が混雑している場合や、移動中にトイレがない場合に備えてあると安心です。
- 朝ご飯 / 好きな食べ物 / 水・飲み物: 補給食とは別に、前日や当日の朝に食べる食事を用意しておきましょう。
- まくら / 寝巻き: 車中泊をする場合など、快適な睡眠を確保するためにあると便利です。
- 充電ケーブル系 / スマホバッテリー / pc・電源ケーブル: 複数の電子機器を使用する場合、充電環境を確保しておきましょう。
- 折りたたみ傘 / カミソリ / アームウォーマー / フリース: 気温の変化や、個人的な身だしなみ、体調管理に役立つアイテムです。
まとめ:準備のプロセスも楽しんで、最高の大会を!
大会の持ち物準備は、手間がかかるように感じるかもしれません。しかし、一つ一つ丁寧に準備していくことは、レース当日の不安を減らし、自信を持ってスタートラインに立つための大切な儀式です。
このリストを参考に、自分にとって何が必要か、何が安心材料になるのかを考えながら、ぜひ自分だけの最強ラインナップを完成させてみてください。
さあ、万全の準備を整えて、トレイルランニングの大会を思いっきり楽しみましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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