トレイルランニング大会の目標タイム設定:完走への道筋を描く戦略的アプローチ

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こんにちは!

トレイルランニングの大会に出場する際、皆さんはどのような準備をされていますか?

トレーニング、装備、栄養補給…どれも大切ですが、僕が最も重要視していることの一つが「目標タイムの設定」です。

「ただ完走できればいいや」と思う方もいるかもしれませんが、具体的な目標タイムを設定することで、レースの臨み方や当日のパフォーマンスが劇的に変わります。今回は、なぜ目標タイムを設定すべきなのか、そしてどのように目標タイムを組み立てていくのかを、僕自身の経験を交えながら詳しく解説していきたいと思います。

なぜ目標タイムを設定するのか?

目標タイムを設定することは、単にタイムを競うためだけではありません。それは、レースを完走するための「地図」を手に入れるようなものです。

  1. レース戦略を立てるための羅針盤:目標タイムを設定することで、自分がどれくらいのペースで走るべきかが明確になります。これにより、上り、平地、下りの各セクションで、どのくらいのペース配分で進むべきか、補給のタイミングはどうするかといった具体的なレース戦略を立てることができます。
  2. モチベーションの維持:明確な目標があることで、トレーニングにも張り合いが生まれます。目標達成に向けて、日々の練習にも意味が見出せるようになり、辛い場面でも「このために頑張っているんだ」と自分を奮い立たせることができます。
  3. オーバーペースの抑制:トレイルランニングでは、レース序盤に気分が乗ってオーバーペースになりがちです。しかし、事前に設定した目標タイムがあれば、自分が設定したペースを基準として、速すぎないかをチェックできます。これにより、後半の失速を防ぎ、安定した走りを維持することができます。

僕流!エイド単位で考える目標タイム設定術

僕は、目標タイムを大会全体の時間で考えるだけでなく、より細かく「エイド単位」で設定しています。これは、トレイルの各セクションの特性を考慮し、現実的なペース配分を行うためのものです。

僕が参考にしているのは、以下のざっくりとしたペース配分です。

  • 上り:12〜15分/km
  • 平地:7〜8分/km
  • 下り:5.5〜7分/km

このペースは、あくまで僕自身の感覚に基づくものですが、トレイルの傾斜や路面状況、疲労度によって都度調整します。上りは頑張りすぎず、平地はリズムよく、下りは安全第一で、という考え方が基本です。

このペース配分を元に、エイドからエイドまでの距離と累積標高から、区間ごとの想定タイムを算出します。

たとえば、あるエイドから次のエイドまでが5kmで、累積標高が500mだとしましょう。

この場合、上り区間が長いため、僕の想定ペースは12〜15分/kmとなります。

  • 上り区間:5km × 15分/km = 75分
  • エイドでの休憩時間:10分合計すると、1時間25分で次のエイドに到着する、といった具体的な目標が見えてきます。

このように、エイドごとの目標タイムを合計することで、レース全体の完走タイムを算出することができます。もし、自分の実力と照らし合わせて目標タイムが速すぎる場合はペースを落とし、余裕がありそうなら少し速くするなど、柔軟に調整することが可能です。

ペース戦略は「前半抑え、後半失速しない」が肝

トレイルランニングのペース戦略には、大きく分けて以下の3つがあります。

  1. ポジティブスプリット(前半速め、後半遅め):レース序盤から攻めて、貯金を作る戦略。しかし、トレイルでは後半の失速が大きく、精神的にも肉体的にも辛くなるリスクがあります。
  2. イーブンスプリット(最初から最後まで同じペース):最も効率が良いと言われる戦略。しかし、トレイルのアップダウンが多いコースでは、ペースを一定に保つのは非常に難しいです。
  3. ネガティブスプリット(前半遅め、後半維持):序盤は体力を温存し、後半にペースアップする戦略。ロードレースでは有効ですが、トレイルでは後半の疲労でペースを上げるのは至難の業です。

僕にあっているのはネガティブスプリット(前半遅め、後半維持)です。
前半は抑えめに、後半は失速しないこと」を目標にしています。

トレイルランニングは、後半になればなるほど、脚の疲労が蓄積し、思うように身体が動かなくなります。特にウルトラディスタンスのレースでは、終盤は歩くことが多くなります。

そのため、序盤から飛ばしすぎると、後半の失速が大きくなり、結果的にタイムが悪くなることが多いです。

前半は、設定したペースよりも少しゆっくりめに走り、体力の消耗を最小限に抑えます。そして、後半は、体力が残っている範囲でペースを維持し、失速幅を小さくすることを目標にします。

この戦略は、精神的にも楽です。序盤にオーバーペースで苦しむよりも、後半に体力が残っている方が「まだ走れる!」という気持ちになり、モチベーションを維持しやすくなります。

なお、上記は私にあっている戦略ですが、個人個人によってあっている戦略が異なります。ですので、自分なりのペース配分を考えてみてください。

まとめ:目標タイムは完走への「地図」

今回は、トレイルランニング大会での目標タイム設定の重要性について解説しました。

  • 目標タイムは、レース戦略を立てるための羅針盤であり、モチベーションを維持するための鍵。
  • エイド単位で、上り・平地・下りのペース配分を具体的に設定するのがおすすめ。
  • ペース戦略は、「前半抑え、後半失速しない」がトレイルランニングでは有効。

目標タイムを設定することは、大会をより深く楽しむための第一歩です。

皆さんも、次の大会に向けて、自分だけの目標タイムという「地図」を作ってみてはいかがでしょうか?

さあ、入念な準備を整えて、トレイルランニングの大会を思いっきり楽しみましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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